Vol.4 "北海道の温度"


● 2日目 (2001.8.14 (Tue))

 実はとりわけ行きたい場所は得になかった。有名な観光スポットは初めて来た時に既に行ったから。それに北海道なら何処を走っても十分楽しいからだ。まあでも今回は本州自走で来て本州自走で帰るのだから最北端の宗谷岬は押さえたい。あとは阿寒湖。7年前に購入したマリモがつい先日お亡くなりになられたので日程が許せばそっちも行ってNEWマリモも購入したい。それと年末にスノーボードをやる為に過去3度泊まった事のあるペンションがニセコにあって、そこのオーナーに「北海道に来たら顔を出せ」と言われていたので、そこに挨拶に行く。あえて挙げるならその三つか。阿寒湖についてはかなり東になってしまうので、時間と相談して検討する事にして、とりあえず一番近いニセコに足を向けた。

 国道5号で海岸線に出ると最初のピースサインを貰う。ちょっと意表をつかれたがこっちもあわてて返して ”あ〜、北海道に来たんだな〜”と浸る(笑)。本州ではすっかり影を潜めてしまった感のあるピースサイン。自分から出して返ってくる事はあっても向こうから出される事は殆どない。それが北海道では自然と出て来る。嬉しい事だ。

 朝10時。帰りのフェリーの予約を電話でした。本当は土曜日の夜中の0時の便(19日午前0時)がとりたかったが既に予約がいっぱいで近い時間だと3時の便になると言われた。やはり仕事が月曜からの人が多いのだろう。予約がその時期に集中しているようだ。しかし3時の便だと青森上陸が日曜の朝7時。。。翌日会社があるのでキツイかもしれないが、ま、何とかなるだろうと思って予約。

 長万部から海岸線沿いを離れてしばらくすると前方を走っていたアメリカンのバイクに追い付いた。名古屋ナンバーのライダーを発見!! 地元から遠く離れた土地で同じナンバーを発見するというのは何か嬉しいものだ。しかし自分は先を急いでいたのですぐに抜き、心の中で ”俺も名古屋ナンバーだぜ。お互い頑張ろう(?)”と呟いてさっさと行ってしまった(手くらいあげて挨拶したかった所だが、まだ身体が北海道に慣れていない小心者の自分の手を挙げるのは難しかったようだ(笑))。
 昼を少し過ぎた午後1時。あっと言う間にニセコについてしまった。目的地の某ペンション はニセコひらふスキー場のすぐふもとだ。夏と冬とでは随分景色が違うし、冬はバスが勝手に運んでくれるので自分では迷いながら辿りつく。ペンションには何も連絡していない。そそくさと裏にバイクを停めて入り口に向かう。ちょっと緊張しつつも楽しみ。しかし自分の事をちゃんと覚えててくれるだろうか?「え〜っと、誰だっけ?」なんて言われたら悲しいし。。。バイト君を発見したので「マスター(オーナー)かママさんいますか?」と言ったらとりあえず玄関にママさんが現れた。僕の顔を見るなり「あ〜ら、珍しい!! どうしたの?」。。。よかった。ちゃんと覚えてくれてる。。。

 それから中に招かれて冷たいお茶とキムチチャーハンを御馳走してくれた。そしてオーナーも現れて思いのほか温かく迎えられ、泊まっていきなさいと言われた。本当は時間が余りに早かったのでもう少し進みたかったのだが、疲れが蓄積されている今の状況を考えるとペンションのベッドでぐっすり休養をとるのも確かに理にかなっている。泊まる事にした。宿泊費はいくらなんだろう。。。と、思いながら。

 結局コテージ一棟貸し切りで昼食、夕食付き。ジャグジーバスとサウナも利用。翌朝出発の際オーナーに

「あの〜、チェックは〜?」と聞くとオーナーは

「あ〜、いい、いい。北海道の人間は本州からわざわざ来てくれたってだけで嬉しいんだから。」

と温かいお言葉。ス、ス、ス、スバラシイ!! ワンダフル&アメージング!! これぞ北海道!! これぞ道産子魂!! 北の大地に住む人は心も広い!! そんな道産子の心に感涙しながらニセコを後にする。

 北海道の気温は本州よりずっと寒いけれど北海道はなんだかずっと温かい。そう思った。

 2日目の走行距離:276km 合計走行距離:1322km
追記1) お世話になった某ペンションについて本当は大いに宣伝したいのですが、今回は無料というあまりに特別な待遇を受けてしまった為に名前はあえて伏せさせて頂いています。ご了承下さい。

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