◆ Project-1 Pro-Arm スイングアーム連結部

上がSPADA、下がNC30

 左から、ピボットナット、L.ピボットサイドカラー、センタカラー、R.ピボットサイドカラー、ピボットアジャストボルト、ピボットロックナット。

 下がピボットボルト。

 既に記載してある通り、SPADAとNC30のスイングアームの取り付け部分の幅は幸いにして同じだった。この寸法はスイングアームと、それをはみ出るピボットカラーを含めた最大幅で約228mm。自宅のメジャーで測ったいいかげんな寸法だが、偶然一緒というよりは恐らく同じで設計されていると解釈してよいだろう。

 ピボットボルトはNCの19.95mmに対し、SPADAは14.95mm。ジャスト5mm細い。フレーム側が当然SPADAに合わせてピボットアジャストボルトのネジが切ってある為、ピボットボルト、ピボットアジャストボルト、ピボットロックナット、ピボットナットはSPADAのモノをそのまま使用する事にする。

 さて、これらの状況でNCのスイングアームを付けるには、ピボットカラーを製作すればよいと言う事になる。 SPADAのカラーの内径と同じで、NCのカラーの外径と同じモノを造ればいいわけだ。長さについてはNCにあわせる。

 実際にノギスで計測してみると、まずノギスの精度が悪い!!。。。(爆)

 自宅で使用しているのはホームセンターで買った1、500円くらいの100mmスケールだが、まずゼロが合ってない!!やっぱりノギスはMitutoyo社製を買いましょう(笑)。滑り具合とかも全然違う。

 さて、本題に戻りましょう。SPADAのピボットカラーの内径を計測してみると、ピボットボルトより僅かに0.05mm太いジャスト15.00mm!!さすがにこの辺はシビアに造られている。一方センタカラーはあくまでスペーサーにすぎないのでプラス0.25mmで出来ている。これは結構助かる。精度の高い長い円筒を加工するのは難しいからだ。それが容易であるのなら、SPADAのピボットカラーの内径と同じで、NCのボルトの径と同じ外径のパイプを1本製作するだけで事は済んでしまう。とはいえ、強度的な事も考えると、やっぱり別で造ったほうが安心である。

 材質はまだ未定。週明けに会社に置きっぱなしになっている学生時代の設計の教科書を見て決定します(笑)。センタカラーの材質は多分(常識の範囲内で)適当でも特に問題はないと思われる。

 追記:写真を見れば分かると思うがNCにはR.ピボットカラーが存在しない。その代わりにアジャストボルトにカラーの役割をする部分がくっ付いている。今回はSPADAのアジャストボルトを使用する為、R.ピボットカラーも製作する。

NG発覚!!

 とりあえず左右のピボットカラーを製作して焼き入れに出す前に持ち帰ってはめてみた。しかし、どう考えても右側の様子がおかしい。モノはきれいにハマるが、これではピボットボルトの右側はダストシールでしか支えられない状態になってしまう。

 NC30のR.ピボットカラーにあたるアジャストボルトのスペーサー部分が焼き入れされてない理由をよく考えるべきだった。軸受けは耐摩耗性が要求される為に、焼き入れして、材料の硬度を上げるのがスジである。それがされていない。そう、実はホントにただのスペーサーで、ピボットボルトはボールベアリングが直接受けるので、焼き入れしてなくても関係ないのだ。

 しかし、今回は、軸径が細くなる為に、R.ピボットカラーの内径をSPADAのピボットボルトの軸系に合わせても、それではボールベアリングからピボットボルトが浮いてしまう。細くなる分だけ余分にカラーを付けなくてはならなかったのだ。あえなく造り直し。

 そして出来たのがこの部品。

 上がNC30、下がSPADAのピボットボルトに自作の部品を付けたもの。

 一番右のスペーサーは、無しだと取り付けた時にアジャストボルトが埋まり過ぎて、ロックナットが付かなくなってしまうので製作した。別にこれはワッシャーを何枚か重ねて代用しても問題はないと思いわれる。

NG発覚2

 この部品を使用して取り付けを行い、チェーンを装着したら、、、チェーンラインがやっぱり合っていない。薄々勘付いてはいたが、スイングアームがやや左寄りに付いていたのだ。ピボットボルトの一番右に10mmもあるスペーサーを余分に造った時点で、こうなるような気はしていた。

 スイングアームは、アジャストボルトで右側から左側に押し込まれているので、スイングアームの左右のオフセットの位置関係はピボットの一番左の部品が握っている事になる。現在はL.ピボットサイドカラーが握っているわけだ。ここで、スイングアームが右に寄ってしまっているとL.ピボットサイドカラーを造り替えるか、スイングアームあるいはフレームを削るしかなくなってしまうが、幸い左に寄っているので、L.ピボットサイドカラーの左側にワッシャーを何枚か挟む事によって、とりあえずはごまかせる。

 よって、今回は厚さ2.2mmのワッシャーを左に2枚、そして、右側のスペーサーを廃止して同じく2.2mmのワッシャーを2枚挟んで取り付けた。このへんはもう”だいたい”の感覚である。実際どのくらいズレているかなんて分からないからだ。ホントはスイングアームを3次元測定器にかければ正確な数字が出ないわけではないが、とりあえず面倒だったし、そんな機械を使ってしまうと読者のみなさんの参考にならないのでだいたいのめっそうと現物合わせでとりあえず組んでみた。チェーンラインはこれで見た感じのズレはなく、あとは実際にしばらくこの状態で走ってみて、それからチェーンやスプロケットの状態を見て検討しようと思っている。


後日修正分

2001.3.28(Wed)
 チェーンがまだ右に寄っているようなので、スイングアームをもう少し右にずらす事にした。でも本当はこのやり方はおかしい。本来ならリアタイヤがフレームのセンターに合うようにスイングアームのオフセットを合わせて、それからチェーンの様子を見てスプロケットの左右を合わせるべきだろう。

 とは言えリアタイヤのセンターとフレームのセンターが合ってるかどうかはイマイチわからないのでとりあえずチェーンに合わせるしかない。

 今までは2.2mmのワッシャーが2枚,L.ピボットカラーとフレームの間に挟まっていたわけだが、ドリブンスプロケットの位置(スイングアーム)を右にずらしたいのだからこれはもっと厚くならなくてはならない。しかし、恐らく3枚では行き過ぎる。そこで、5mmの鉄板をレーザーで切ってワッシャーを製作した。

 作業はスイングアームまで外す必要はなく、マフラーとサイドスタンドを外してジャッキアップし、ピボットボルトを必要な分だけ抜いてワッシャーを交換する。やや手先の器用さが求められるかもしれない。

 とりえずチェーンのズレ具合は大体解消された。今の所は問題ない。


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