Project-2 倒立Fフォーク&Wディスク化 まとめとその後の経過

 まず第一に費用がかかり過ぎてしまった。F廻り一式自体が高価だったのに、使える部品が少なくかなりの点数を注文し直すハメになってしまった。最初の移植部品選びがいかに重要かを思い知った。既に「導入編」で記載した通りどれだけの部品が使えるのかをしっかり確認して使えそうにない部品がある場合はしっかり値切る。タイヤもどれだけ山があるか等も確認して購入を検討する事が大切だ。

 そして大いに手こずったトップブリッジ加工。キッチリ図面に起こしてやればどれだけ早かった事か、、、手抜きをしようとせずしっかり検討する事の重大さを思い知った。

 倒立への仕様変更は個人的にはお勧めしない。何故なら手間がかかり過ぎる。当然出費もかさんでしまう。見た目のインパクトはあるが剛性過多によるバイク全体のしなりも失われフィーリングの悪化も発生する。よって、F廻りを移植するならWディスクの正立タイプをお勧めする。これならステムもトップブリッジも未加工で取り付けられる物が沢山あるだろう。しかし正立タイプでもレーサーレプリカだとフォークの全長が短くハンドル位置が下がる上にマスターシリンダーが樹脂製になるので、好みにもよるだろうがネイキッドの方が好ましいと思う。

 最後にF廻り移植にあたり様々なアドバイスや情報を提供して頂いた方々、そして作業を応援してくれた御来訪者の皆様に深くお礼申し上げます。


2001.5.20 (Sun)

 初の本格ワインディング耐久テストで左側のFフォークからオイル漏れが発生。今まではそんな気配は全く見せていなかったので、ワインディングを全開に近いペースでしばらく走行したら突如漏れだしたものと思われる。途中で何度か拭いたが次から次へとだらだら漏れてしまい、走行中にブレーキディスク、パッドにも付着してしまう為若干制動力が落ちる。ホイールにもオイルがたれてしまっている。ちなみに自分の靴にもオイルが飛んで来る程である。

 やはり事故済みフォークの宿命か、、、Fフォーク入手後にオイルシール類は新品を購入したのだが、交換が難しそうという理由からオイル交換だけにとどめたので、運がよければこれらを交換すれば解消される。しかし、それでも漏れるならこのフォークはダメという事になってしまう。

 あと話は変わるが、まだFフェンダーが付いていない為に、濡れた路面を走行すると前輪が水を跳ね上げるので、前方から水が降って来る。真面目にFフェンダーを探した方が良さそうである。


2001.6.2 (Sat)

 漏れた方のFフォークのオイルシール交換完了。翌日峠にテスト走行しに行こうと思っていたがとんでもないミスをしていた事が発覚して中止。

 先日のツーリングでオイル漏れが発生した原因を自分なりにずっと考えていた。最初しばらくは漏れていなかったモノが途中から急激に漏れだした。何故か、、、オイルシール交換の際にインナーチューブに小石が当たったような形跡がある。小さなモノだが左右合わせて5箇所くらいといったところか。これが最初からあったモノなのか、先日のツーリングの時に出来たモノなのかはハッキリしないが、走行距離からしてその可能性は高い。インナーチューブにキズ等があるかどうかくらいは購入の際にもしっかり見ているハズ。これによって峠道をかなりの長距離(100km以上)全開で走ったためにオイルシールが何度もその打痕(と言う程のものではないが)を往復して損傷してしまったのではないだろうか?しかし外したオイルシールには損傷は見られないから結局は断言出来ないのだが、この発見は大きい。自分より前を走行している車両等が砂利などを跳ね上げれば倒立Fの場合インナーチューブが下になるので損傷の可能性は極めて高い。インナーチューブを損傷してしまうとオイルシールもすぐに損傷してしまいオイル漏れが発生する。つまりすぐに”ダメフォーク”化してしまうのだ。倒立タイプのオフロード車ではインナーチューブを損傷しないようにカバーが付けられている。オンロードのスポーツバイクではどうなっているか、、、Fフェンダーがインナーチューブ前面に展開して砂利等の障害をしっかりガードしているのだ。

 この事実を知って血の気がひいた。今まで「Fフェンダーなんぞ”泥よけ”だから無ければ晴天専用仕様になるだけでそんなに気にする程のモノではない。Fフェンダーのないバイクだって結構走ってる」と思って真面目に探していなかったが、倒立フォークにとって絶対不可欠な装備だったのだ。もし、現在ある小さな損傷が先日のツーリングで出来たモノで、それが原因でオイル漏れを引き起こしたのならば、Fフェンダーが無かった為にFフォークを”お釈迦”にしてしまった亊になる。今の損傷が実際にはたいした亊なくて、今回オイルシール等を交換した亊によりオイル漏れが治まったとしても、これ以上の損傷を避ける為にFフェンダー装着までは走行しない方が無難である。

 しかし困った。今の損傷もインナーチューブは仕上げ精度が相当に高い為に補修するのは大変困難だ。只のパイプではないので(当然アクスルシャフトやブレーキ、Fフェンダー取り付け部と一体になっている)旋盤で掴んで高速回転させながら補修というわけにもいかないし、、、フォーク交換の必要性が現実みを帯びて来た。しかしそんな金はない。

 午後に近所のバイク屋さんで新品の値段を聞いたら7千円を切っていたので注文した。予想以上に安かった。これなら始めから新品を注文しておけば良かった。


2001.6.10(Sun)

 前回ツーリングに行ったメンバー達と一緒にツーリング。今回のRVTの走行距離は約370km。前回程ではないがワインディングをかなりの高速で駆け抜けた。結論から言えばめでたくフォークオイル漏れは発生しなかった。まだ前回オイルを交換してから漏れが発生するまでの距離に至っていないので確定とは言い難いが、フォークはかなり酷使したのに漏れなかったので多分大丈夫だろう。装着したフロントフェンダーも絶大な威力を発揮し雨に降られても自分のバイクが跳ね上げた水しぶきが前方から降って来る事はなくなった(笑)。



[ BACK ][ NEXT ][ RVT ][ INDEX ]