Project-2 倒立Fフォーク&Wディスク化 ステアリングステム

2001年 2月5日(月)
 ステムを外してみると、、、べ、ベアリングの形状が全然違う。って事はフレーム側の受け部も当然SPADAの形状になっている。

 かなりブルーになった。予想はしていたがこれを自作しなくてはならないとなるとちょっと辛い。出来ない事はないが、加工機械の使用方も覚えなくてはいけないし、材料の調達もしにくい。何より時間がかかる。とは言え使えないのなら仕方がないし、、、


左がTZR250R、右がSPADA

2001年 2月6日(火)
 とりあえずベアリングを外してみた。これはタガネ等をあててハンマーで叩いたりしないと外れない。SPADAにはベアリングの下にダストシールがあるのだが、これは叩いた際に使い物にならなくなってしまうので注文しなくてはならない。
 ここで意外な展開になった。TZR250Rのステムの軸にSPADAのベアリングがハマるのだ。どうやらこのへんはメーカーが違っても統一しているような気がする。写真では浮いているが、ここから先は叩いてはめる物なので、新しいダストシールが来るまでは当然ベアリングははめない。

 これは大きい。下さえ合えば上はなんとかなると思う。TZR250Rのステムをそのまま使用出来るなら一気に作業が進められる。ただ、写真で赤のマル印を付けた部分は干渉してしまうので削らなくてはならない。
2001年 2月7日(水)

 取りあえずSPADAのステムの軸とツメの距離を測る。干渉さえしなければ走行性能に問題はないと思われるので、だいたいの数値で良いだろう。  測ったTZRのステムのツメにけがく。これも適当で構わないと思う。

 ケガキ線の少し手前までサンダーで削る。ステムの軸をあやまって傷つけてしまわないようにガードしておいた方がよいだろう。

 ちなみに材質がアルミなのでサンダーがなくても中目くらいのヤスリで削る事は可能。但し気合いは必要だ。

 下に敷いているのは風呂場用のマット。ゴムマットの方がそれっぽくてよいのだが、意外と高い。

 あとはヤスリを使って 人力で削る。その方がきれいに出来ると思う。写真の右側がサンダーで削った状態、左がその後ヤスリで削った状態。

 とりあえずOK。やや仕上げが汚いが、まあ組み付けてしまえば見えなくなるのでこのくらいでよしとしよう。

2001年 2月15日(木)

 ダストシールがようやく届いたので、根元のベアリングを打ち込んでフレームに付けてみた。根元は問題ない。しかし、上側のベアリングの調子が悪い。

 TZR250RとSPADAでは下側同様ベアリングの形状が違うので、取り付けにはフレームにあわせてSPADAのモノを使用するわけだが、上側は下と違ってベアリングの内径が少し違う。TZR250Rの方が少し小さいのだ。よって、SPADAのベアリングを付けてもその分ガタが生じてしまう。これは実は事前に分かっていたのだが、ある推測の元に問題なく取り付けられるつもりでいた。しかし、実際に付けてみたらその推測が通用しない事が判明して肩を落とす。

左がTZR250R,右がSPADA
 単純な対策としては、ベアリングの内径の差が1mmなので、0.5mmの薄板をステムに巻けば良いとは思うのだが、やや不安も残るので、SPADAのベアリングのカラーを新たに自作する事にする。
 ベアリングの都合上ガタはあるがとりあえず組んでみた。これ(右写真)の具合が見たかったから。そう、先日削ったツメは、ステアリングが切れ過ぎないようにする為のストッパーなのだ。これは非常に重要で、この問題をきっちりやっておかないと、ハンドルが切れ過ぎて、転倒時等に他の部分にダメージを与えてしまうのだ。写真を見て分かる通り、ステムがラジエターに当たってしまっている。当たる前にしっかり止まるようにしないと、転倒時にラジエターを破損してしまうばかりか、ハンドルがタンクを凹ませる等、多くの影響が予想される。

 ちなみにTZR250Rの場合はフレーム側のストッパーがステムのツメの内側にある。本当はSPADAのフレームにTZRのフレームにあるようなストッパーを溶接してしまえば話は早いのだが、ここでアルミフレームが仇となる。アルミの溶接には特殊な溶接機が必要となる上、それなりの溶接技術が求められる。残念ながらその方法は不可能だ。よってフレーム側のストッパーと、ステムのツメの隙間を埋める方向で対策を練る事のする。

 とりあえずは、隙間を埋める部品の型をパテでとってみた方がよさそうだ。

 それにしてもこのステム、トップブリッジはかなりの曲者で、これに、ライトやウインカーの取り付けステーや、メーターが付くから、そのへんの加工も必要になってくるし、SPADAはトップブリッジの上にハンドルがあったが、TZRは下になるから恐ろしい前傾姿勢になってしまう、、、頭がイタイ。


2001年 2月17日(土)
 ベアリングカラー製作。ボールを受けるRの部分をNC旋盤ではなく(NC旋盤がないから(T_T)汎用旋盤で加工。しかも加工に適したバイト(削るのに使用する刃)が無く、かなりRの小さいバイトで気合で加工したので時間がかかってしまった。

左が製作したカラー、右がSPADA純正品


2001年 2月18日(日)
 新しく取り付けるライトとメーターを物色しにRACING WORLD名古屋店に行った。いろいろと見てみたが高い。ライトやメーター、ウインカーがこんなに高い物だとは知らなかった。フロント廻りの部品の買い替えのおかげで出費がかさんでいる今の状態ではとても手が出せない。

 さて、ステムのストッパーだが、ホームセンターでパテを購入しては来たものの、フレームのストッパーにタップ(ネジ穴)をあけてボルトを埋め込んだ方が楽そうだったので、その方向で作業を開始。

 埋め込むボルトは太い方が強度的にはよいのだが、ストッパーに大きな穴を開けてしまうのも当然良くないので、バランスとしてはM5あたりが妥当そうだ。

 まずは電動ドリルで下穴を開ける。当然ドリルを手で持って作業する為に加工中に弱冠ドリルが振れてドリルの径よりも穴は大きくなってしまう。よって、タップの通常の下穴径よりも小さめのドリルで加工。

 写真では素手で加工しているように見えるかもしれないが(笑)、電動工具を使用しての作業は危険なので、必ず革製の手袋、そして保護メガネを着用しよう。

 タップを切る。下穴を開けた時にも思ったが、フレームの材質がアルミなので、大変加工がスムーズに行える。

 タップは普通ある程度奥までねじ込まないとネジ山がしっかり切れない物だが、下穴が大きい場合等にきっちり奥まで切ってしまうと、ボルトに弱冠のガタつきがおこるので、程々で止める。タップの刃が下穴から少し出るくらいだろうか、ボルトが手では回せないがスパナ等でねじ込めるくらい。アルミのような柔らかい材質だと結構有効。

加工後。意外とスムーズに出来た。

 ボルト、ステムを装着。ステムのツメはボルトの当たる面に合わせて弱冠削った。ボルトが細いので強い衝撃を受けた時がやや心配。


2001年 2月20日(火)
 ベアリングのカラーが完成したので取り付けてみたが、予想外な事にイマイチ具合が悪い。製作時にベアリングを合わせて現物合わせをしながら切削して造ったので、単品でのベアリングの当たり具合は純正品と変わらないのだが、フレームに組み付けるとカラーが少し浮いてしまう。Rの形状が弱冠違ったようだ。しかし、上側のベアリングのカラーなので下に比べれば過重も少なく、とりあえずは問題ないと思うのでやや心配しつつもそのまま組み付けた。

 ステムが付いたので、フロントフォーク、ホイール、ブレーキキャリパーを組み付けた。ようやくカタチになって来たところでジャッキアウト。
 とりあえずステムの加工はこれでOKだが、ヘッドライトの取り付け方法によっては更に加工が必要となる。詳しくは ”ヘッドライトブラケット”参照。


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